二年生のプレーモデル(簡易版)

皆さま、日々のコーチングありがとうございます。

このブログでは二年生が三年生までに目指していくサッカーを記載します。モニトール取得の際に、バルサの元コーチに超少しだけ相談させてもらって作りました。
掲載の目的は、コーチ間での目標、戦術の共通理解、それを基に試合やトレーニングのメニュー作りができることとしています。
いつか三年生をセンターラインに入れた形で三年生の試合でも同じ戦術でやらせてもらえるようにお願いしたいと思います。

宜しくお願い致します。

目指すサッカー:ポジショナルプレー
ポジショナルプレーとは、ポジショニングによって優位に立つサッカーの概念です。
二年生の段階ではポジショナルプレーで求められる動き方、考え方をゾーンごとに理解して実践し、早いプレー(認知、判断、動き出し)を学び、位置的優位、数的優位、質的優位を生み出し、ポジショナルプレーの実施に向けた礎作りを行います。

二年生用語集
二年生は横文字が多いということで、私が叫んでる言葉をまとめました。コーチ間ではなるべく同じ言葉を使って子供達が迷わないようにしてあげましょう。

ロンド•••鳥かごのこと。

ポジショナルロンド•••ポジションをきめて実際のフィールドで行う、試合想定で動き出しの多いロンド。

フリーマン•••ポジショナルロンドで真ん中に入るボランチのこと。

エントラ・リーニャ•••エントラ(入る)リーニャ(線)。相手選手二名の間に引ける線に入って受ける動き。自分のマーク含め3名の相手を引きつけ周りにスペースを作る。

コントロール・オリエンタード•••コントロール(トラップ)オリエンタード(方向付け)。ワントラップで自分の行きたい方向を向くコントロール。

幅と深さ•••主にサイドバックやウイングが意識するポジショニングの概念。

レガーテ•••チャンスメイクやシュートのための切り込むドリブル。ディフェンシブサードで実施するとリスクになる。

コンドゥクシオン•••パスコースを探すためのドリブル。

ファルソ・ヌエベ•••ファルソ(偽)ヌエベ(9番)。CFが落ちてディフェンスからボールを受ける戦術。

ポケット•••オフェンスの際に目指すゴール脇の攻略スポット。キーパーが出にくくディフェンスの視野が狭まるため、ここを攻略するプロチームが増えている。

ストーリー•••展開。ストーリーのないパスや動き出しはしてはいけない。常に自分が描くストーリーを予測した上で一つ一つの動き出しを行うことが理想。

奥の足•••ボールを半身で受ける際に、ボールから遠い方の足でトラップすること。裏を取るパスをするときに使うことが多い。

これから使う予定の用語
デスマルケ
アンダーラップ
ブロックプレー
フリック

フォーメーション

8人制
1-1-2-1-2-1

相手の3レイヤー(DF,MF,FW)の間にポジションを取ることを前提。
ポジショナルロンド(中央にフリーマン)をする事が前提。
フォーメーションはただのスタートポジションであり、ポジションは状況によって変化しなくてはならない。
※相手の陣形により2フリーマンも今後オプションとして使用する
※名前はあくまで例。以下の写真にはキーパーは入ってません。
6人制(案未確定)
1-2-1-2
ポジショナルロンドのFWがいない形。
キーパーがビルドアップ時のセンターCB想定。
相手がダイヤモンドの場合、CBへのファーストディフェンスはフリーマン、相手フリーマンへのカバーは2SBのうち1人、FWへはもう一人のSBが対応想定。
ビルドアップの起点はSB。同サイドのウイングはワイド落ち、対角のウイングはファルソヌエベの位置に落ちる。
※名前はあくまで例。一番下がキーパー。


守備の原則
相手ボール時、相手ゴールキック時
基本マンツーマンから開始する
縦のコースを切る
次の次のプレーを予測する
全員が連動してインターセプトする
全員がプレスバックする
(将来的にゲーゲンに移行する為、今の段階から前ハメを励行する。ウイング、FWは特にマンマーク気味、後ろに行くに従いややゾーン気味でインターセプト狙いて良い)

攻撃→守備
相手ボールになりそうなら守備切り替え
相手ボールになったら3秒以内に奪う
チャレンジ&カバーで2枚で激しくアプローチする
遠いエリアは3秒以内にリトリートしインターセプト、またロンドの準備をする
数的不利の場合、コースを切りながら遅らせる
オフェンス陣の判断による守備参加(プレスバック)励行

攻撃の原則

☆早くプレーする
☆常に数的優位を作るため、ポジションを早く取る
☆狙うは裏
常に自分の前・横・後の情報を集めておく
次の次のプレーを予測する
早く動き出す
エントラリーニャ
ワンタッチツータッチの早く正確なパス回し
優先順位は前・横・後の順番でフリーの人
プレッシャーがある場合はダイレクト、ない場合はトラップ
情報がない方向へのアクションはない
スペースを埋める
ディフェンス陣の判断による攻撃参加励行

※攻撃のビルドアップはまだまだありますが、まずは以下に取り組みました。現在の基本は陣形をコンパクトにワンタッチツータッチでビルドアップして裏を狙いそこから相手の陣形が整わないうちに早い攻撃を仕掛けます。今の起点はサイドバックですが、今後はピッチの縦の距離が伸びるのでミッドサードでウイングが起点となってDFラインを押し上げ、ミッドサード〜アタッキングサードでビルドアップをやることを想定しています。
ゴールキーパーからのビルドアップ
クイックに以下のポジションと取り、相手の陣形が整わないうちにスタートします。
明らかにチャンスになるカウンターの選択肢がない場合、
①SBをワイドに開きます。
②フリーマンが落ちます。
➂SBをワイドに開いたことにより生まれたコースにウイングが中に絞り、フォワードがその裏に入ります。
サイド、フリーマン、スペースにいる選手のうち、前方を認知できているフリーの子にパスもしくはアンダースローで出します。出しどころがない場合、FWをめがけて蹴ります。
※SBに入った場合、数的優位を作るためウイング、FM、CB、KPはサポートの位置をすばやく取ること(とにかくスピードが命)

ゾーンごとの優先順位(執筆中)
二年生の試合では縦のゾーンが狭いため、本来であれば3ゾーンのところを、ディフェンシブサードとアタッキングサードの2つにします。後日掲載します。
ディフェンシブサード
☆ワンタッチ、ツータッチでフリーの味方につなぐ
☆数的優位を作る

SBにボールが入った場合
①SBは前横後の優先順位でフリーの味方にパスを出す(裏.FW.FM.WG.CB.KP)
②自分のマーカーに対して距離がある場合、コンドゥクしながらパスコースを引き出す。いける場合はスピードアップしてシュートまでして良い。
➂パスコースが100%ない場合、裏を狙うキック、もしくはクリア

WGにボールが入った場合
低い位置でボールを受けたWGが数的不利の場合、突っ込むドリブルはない。SB、FMに簡単に落として裏で、もしくは中でもらいなおす。
FMは
FMはSBから受けた場合、SBが前を向いてフリーで受けれるようなパスを返す。なぜならば


セットプレーの戦術
セットプレーオタクの私がやりたい、二年生でも実践できるサインプレーを優先順に掲載します。

スローイン
スローインは以下の中から状況に応じて選択します。ただ密集に放り込む意味のないスローインは存在しなくなります。

明らかにチャンスになる「裏への」選択肢がない場合、以下の優先順位で実施。
①クイック
②クイックバック
➂リターン
④ロンド目的のスローイン
⑤相手ゴール前のみ特別セット:エル
コーナーキック
①ショート・クイック
②落としドカン
➂通常のやつ

キックオフ
間接・直接フリーキック(ロング)
間接フリーキック(ショート)
直接フリーキック(ショート)
PK

練習メニューの構築
①今回作成したプレーモデルを基に実施する練習
②一般的なサッカーの動きを教えるプレーモデルとは必ずしも関係ない練習

の両方を行うことで多様性を持った選手に育てる。

プレーモデルを基にした練習例
ポジショナルロンド、ウイングの裏取りパターンの練習、前線からフリーマンへの落とし、ウイングとサイドバックのウンドイス等々

プレーモデルとは必ずしも関係ない練習
x対x、ドリブル練習、コントロールオリエンタード、スローインのリターン

練習試合
練習試合は対内試合、対外試合を問わずこのプレーモデルをベースとしてテーマを試す場でなければならない。コーチは練習から取り組むテーマを決めて練習し、練習試合ではそのテーマを試すことが求められる。

現在の課題
キックのスピード/正確さ/距離、ポジション取りの遅さ、前線の動き出しのバリエーション、攻守の切り替え/強度、センタリングの意識/中に詰める動き

今後の課題
相手が241の時に2フリーマンへの移行方法

最後に…

選択肢が用意されていない状態でいきなり判断させるのではなく、ある程度の柔軟性を持ったポジショナルロンドのシステムとその選択肢の中で、その時の状況で最善のポジショニングと選択を鍛えなさい、というがポジショナルプレーの教えだと理解しています。
初めは結果は出ないと思いますが、信じて一年かけて継続してトライさせることで、ポジショナルプレーを形にして、圧倒的なプレースピードであっという間に点が入るようなサッカーをしたいです!

ご参考①ポジショナルロンド練習イメージ

ご参考②2FMのポジショナルロンドイメージ
ご参考➂:バルサのベンハミン(U9)の試合

0コメント

  • 1000 / 1000